求償裁判ってなに?

公務員の違法な行為によって、損害が発生した場合に国や公共団体が責任を負うことを定めた「国家賠償法」による裁判です。

本来は、公務員が常に賠償責任と隣あわせになることで、活動が消極的になることを防ぐために、公務員個人に代わって国や地方公共団体が肩代わりして、賠償金を支払う救済制度です。

くにたち上原求償裁判は、「国家賠償法」の1条2項が適用され、個人に対する支払いを定めたものです。

くにたち求償裁判の流れ

  1. (1) 住民から監査請求が出される
  2. (2) 監査結果を不服として、住民が賠償金を上原に請求するよう、市を訴える
  3. (2-1) 第1段裁判 4人の住民 VS 国立市(国立市は上原元市長に請求せよとの判決。国立市敗訴)
  4. (2-2) 第2段裁判 国立市 VS 上原元市長(上原元市長に賠償金を払えとする国立市の提訴。国立市勝訴)

国家賠償法(抜粋)

  1. 第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
  2.  前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

くにたち求償裁判の「3つのなぜ?」

国立市が明和地所に支払った賠償金の返還を上原元市長ひとりに押しつけた裁判について、なぜ、どこが、おかしいのか「3つのなぜ?」にまとめてみました。判決のおかしさをいっしょに考えてください。

1. 国立市が上原元市長1人を訴えたのはなぜ?

4人の住民が起こした求償権行使を求める住民訴訟「第1段裁判(2-1)」で、関口前市長は裁判の三審制に則り、一審の地裁判決に対して高裁に控訴していました。しかし、新しく市長となった佐藤市長は、この控訴を取り下げ、一審判決を確定させてしまいました。

その結果、高裁で争う権利を奪われた上原元市長は、約3123万円もの賠償金を請求されることになりました。これは、佐藤市長自身が上原元市長に賠償金を支払わせる決断をしたことを意味します。

明和地所は賠償金を、一円単位までそっくり寄付していた

しかも、「第1の裁判」(今回裁判のおおもとになっている「くにたち大学通り景観裁判」のこと。詳しくは »こちら を参照)が終結した後、国立市から支払われた賠償金を明和地所は、一円単位までそっくり寄付しています。当初は、教育関係にという目的寄付でしたが、国立市が条件付きの寄付なら受け取らないと断ったところ、制約のない一般寄付となりました。これをうけて当時の総務部長は、議会で市議会議員からの質問に「損害は補填された」と答弁しています。

寄付は目的寄付だったから損失は補填されていない?!

ところが、佐藤市長になって今回の「第2段裁判」では、寄付は目的寄付だったから損失は補填されていないと、これまでの市の言い分をひっくり返してしまいました。

2. 国立市と明和地所が同じ論理で上原元市長を訴えたのはなぜ?

「第2段裁判(2-2)」でもっとも驚くべきことは、国立市の訴訟理由が、明和地所が国立市と市長を営業妨害(信用毀損)で訴えた4つの行為をそっくり踏襲している点です。国立市の訴訟理由のおかしさを説明しましょう。

以下の囲みで説明している第1〜第4の行為は、明和地所(くにたち大学通り景観裁判の原告)が国立市と当時の市長(上原さん)を営業妨害で訴えた項目です。

第1の行為 住民集会で明和マンションの計画を住民に話したこと。

明和地所は、上原元市長が、ある住民集会でマンション計画を話したことで、マンション見直しの住民運動が起こされ、結果として営業妨害されたと訴えています。しかし、景観保護を公約に掲げて当選した市長が、住民集会でマンション計画を話したことについて、なぜ国立市が明和地所と同じように訴えることができるのでしょうか。

むしろ、市民に計画について話さなかったなら、市長の責任は問われるべきです。

第2の行為 建築物の高さを制限する「地区計画条例」を制定したこと。

明和地所は、条例は営業妨害を目的に上原元市長が住民を利用して制定したと主張していますが、事実はまったく逆です。当初、国立市単独での制定はできないとされていたのを住民が都庁に出向いて調べた結果、前年に法令が変更されていて単独でもできるとわかり、住民自身が短期間で地区計画案を作成し7万筆の署名を添えて提出。それを受けて上原元市長が市議会・臨時会を招集し、議決しました。その後の裁判でもこの条例は適法と認められています。

ところが「第2段裁判」で、国立市は議決に従った上原元市長を、明和地所と同じように住民を利用して条例を制定したとしているのです。制定の正当性について、当時国立市の幹部職員だった佐藤市長が知らないはずはありません。

第3の行為 市議会で議員の質問に対して明和マンションが違法建築であると答弁したこと。

市議会で議員の質問に上原元市長が高裁の判断を引用して答弁したことで、明和地所は営業妨害されたとしています。

第4の行為 明和マンションが違法か、適法かが決まるまで、東京都に水道を止めるよう要請したこと。

国立市が東京都に要請した行為を明和地所は営業妨害だと訴えていますが、違法建築と判断されたマンションに水やガスを供給しないように要請することは、入居者保護のための正当な行為として認められています。にもかかわらず、明和地所と同じ理由で訴える国立市は、上原元市長からどのような損害を受けたというのでしょうか。

3. 佐藤前市長が市議会の決議を無視して裁判を継続したのはなぜ?

矛盾だらけの不毛な裁判を終わらせるために、2013年12月、国立市議会は佐藤市長に対して上原元市長への賠償請求を取り下げる「債権放棄」の議決をしました。しかし、市長は議決を不服として再議を求めることも、東京都への不服申し立てなどの手続きもいっさいすることなく、国立市民の最高意思決定機関である議会を無視して、裁判の継続を決めました。

この放棄議決を無視することは、たとえば議決した国立市の予算を実行しないのと同等の重さがあります。国立市が上原元市長を訴えた「第2段裁判」の一審判決は、佐藤市長の議決無視を「職権乱用」「信義則違反」であると、きびしく指摘しています。

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